家づくりで、まず最初に自分ですることは?
家造りは家族の形まで創ってしまう大事なことです。
将来をも含め、家族像をイメージしながら家族で話し合い、再確認しましょう。
■ 自分(家族)がどんな生活(家)を望んでいるのか?(ライフスタイル)
1. 住まい方は、個々に違うことを前提に再認識しましょう。(人と同じではない)
2. まず、自分自身がどう生きたいか、どう住みたいのかを知ることが大事です。
※生活をふりかえる、家族や親族の実情、将来何をしたいのか
どんな家を建てたらいいの?
家族像にあったイメージの家とは、どんな家なのか確認し情報を収集する。
■ 家族像に近い実例の情報収集
1. 親戚・友人・知人からの意見・感想を聞く
2. 雑誌、インターネットでイメージに近い実例の収集
3. 完成した家を見に行き、感想を聞く
■ 情報収集で心がけること
1. 形(デザイン)に捉われず、趣味趣向など生活のスタイルを再確認する
2. 変わっていい事と変わらない事の区別をつける(家族の成長、場所、家具家電)
3. 優先順位をつける(機能性、デザイン性、風水、家事動線、仏壇、収納、等々)
■ 身の丈にあった家をつくる
1. 夢や希望はたくさんあります。理想を追い続けるだけでなく、現実も見つめて出来ることと出来ないことを判断することも大事です。
家づくりにはどのくらい費用がかかるの?
個々の支払い能力や敷地条件などの制約により費用は異なります。
確実にかかる基礎的費用と選択可能な付加的費用の加算等で変動します。
■ 設計費
難易度や場所、用途による法的制約などで追加される費用があり変動します。
■ 建設工事費
構造体の種別や仕上げ材の種別、設備等のグレードで変動します。
■ 家具・家電費
持ち込みか新品購入か、家具機器のグレードで変動します。
■ 登記・税金・移転費
規模に応じて同率で同じように費用がかかります。
※大切なのは予算に見合った建て方を選択することです。
今、住宅の坪単価ってどの位?
単に家が建つということと、自分が住める家とはちがいます。
工事費見積もり書には内訳明細がついています。住むために必要なものが揃った家になっているのか確認してください。
■ 工事費内訳書
工事内容を種目別に記載された(数量・単価等)工事費用の明細書
1. 工事費は使用する材料の数量と単価の加算が積み上げられて出来ています。根拠がなく金額調整出来るものではありません。
2. 工事費は積み上げられた金額により決まるもので、坪単価○○円という表現は結果を表したものにすぎません。現在の一般的な住宅の坪単価は75~95万と言われていますが、場合によっては坪単価100万を超える事例もあります。
■ 躯体工事
型枠・鉄筋・コンクリート工事等、基礎的にかかる費用で調整し難い
■ 仕上げ工事
塗装・内装・木工事等で、材料等級の採用の仕方で費用調整可能
■ 設備工事
電気・水道の配管等は調整し難いが、製品は等級採用で費用調整可能
■ 諸経費等
建設業者の運営費用や現場管理・現場運営費用等で業者により異なる
1. 自身の予定建設予算内でどんなことが可能か、整理し理解することが大事です。
2. 欲しい工事内容に優先順位をつけて、再確認し、優先順位の低い方から工事内容を取り止めていくのもひとつの方法です。
3. 予算に見合った建て方を採択する・・・規模、構造、デザイン、材料、調達順序等
4. 借入金を算定する場合は人生設計の中でゆとりを持った返済可能な額を設定する。
設計はどこに頼めば良いの?
価値観が共有でき、円滑なコミュニケーションがとれる設計者が良いです。
建築士事務所は総合的に合致しています。
設計の仕事をしているところはどこ?
■ 建築士事務所
設計の仕事を一義的で独立的な業務としており、施工者と違う立場で業務(建築主の代理人)を行える。
■ ハウスメーカー
一般的には、会社所属の営業マンが対応し、お客の意向を会社所属の建築士に伝達し、当該建築士が設計作業を行うが、その後の建築主との対応は、営業マンに引き継ぐか、建築士が対応するかはメーカーの組織運営により異なるので、確認が必要になる。
※設計業務は、会社所属の建築士が担当し、基本的には、建築士の職責(建築士法、建築基準法等)に沿って仕事を行う。
■ 設計施工会社
ハウスメーカーと同様な段取りで進むと思慮される。
★設計業務を委ねる方法は上記のようにいくつかありますが、それぞれ、メリット、デメリットがあります。
経費や意思疎通、対応の仕方等、本当に自分に合った設計をするのはだれか、それを判断するのも建築主です。
最後に後悔しないよう、事前に十分研究しましょう。
※そのためにも、いろんな建築士事務所や設計施工会社等の担当者に直に会って話してみましょう。そこから、対応の違いを確認しましょう。
★本当に自分にあった設計をするのは、専業の建築士です。
※複数人(建築士)に直に会って話してみましょう。
★話し合える担当者との出会い。相性と意思疎通性の確認も大事です。
※家族で話し合い、新たな共通認識を持つことから始めましょう。
設計士、建築士、建築家の違いは?
設計士は、設計を行う人の総称であり、建築士は、国が定めた資格者で、設計することができる建物の構造・規模・用途等により、木造建築士、二級建築士、一級建築士に分けられます。
建築家は、自称、他称や(公社)日本建築家協会の定める要件に合致し、加入した会員である者などを指す場合があります。
■ 設計委託する場合
・300㎡以上の建物の場合は、法により書面による設計契約が必要です。
(契約を怠ると罰せられる場合があります。)
・300㎡以上は、一般住宅からかけ離れた数字ですが、小さな住宅でも書面による契約を締結しましょう。同時に、監理業務契約も重要です。
・担当する建築士は、免許証の提示が必要です。
■ 設計者の選定方法
自分にあった設計者との出会いが大切です。
・評判や体験者からの紹介も大事ですが、直に会って話を聞くことは最も大事なことです。
・また、複数の設計者に会って話してみることも大事なことです。担当になる人が、本当に自分の感性に合うのか。さらに、その担当者が技術者なのか、営業職なのかも大切な要素となり、その後の対応も違ってくることを認識すべきです。
■ 建築士事務所とは?
建築士または建築士を使用する者が、他人の求めに応じ報酬を得て、設計等の業務を業として行おうとするときは、知事の登録を受けて開設する(設計)事務所です。
・これらの設計業務を行う際は、建設会社やハウスメーカー、不動産会社も専業建築士事務所のように知事の事務所登録を受けなければ業を行えません。(無登録業務の禁止)
・設計等の業務に係る「重要事項説明」も建築士でなければなりません。
設計業務に契約は必要ですか?
設計契約を結ぶことを建築士法で定められています(300㎡以上)
・契約の前に、「重要事項説明」書で説明を受けて、「重要事項説明書」の交付を受けることが義務付けられています。
・延べ面積300㎡未満の設計業務でも契約を交わすことは重要です。契約を交わさない場合でも「士法に基づく書面」の交付は受けましょう。
■ 設計料(業務報酬)とは
設計料(業務報酬)は、基本的に、設計等業務に携わった人の労働に対する賃金等と諸経費(消費税)等で算出される。
設計料が半額又は無料ということがあるのか?
人が働いて費用がかからないということはありません。設計料の名目でなくても、どこかの項目(例えば、諸経費、工事費等)に含ませている。
・設計料の算定基準は、国土交通省において、告示第98号と第670号等で業務報酬基準を定め、発注者と建築士に対して、準拠努力を求めている。
・しかし、告示98号による算定は、公共工事並みにすべての業務を網羅した場合の算定であり民間工事における住宅設計料とは差が生じてしまいます。
■ 実際の設計料の算定
・建築士事務所の設計料の提示(算定)の仕方はそれぞれです。建築士事務所の独自の計算方法で算出しているので、双方で協議して決める。(双務契約)
・設計料内訳と業務内容の説明を必ず受けることが大切です。
■ 設計施工会社の設計料の提示方法
・工事請負契約書(図面はある)の中に設計料の項目が見当たらない、項目があっても詳細が不明、設計業務・工事監理業務の内容明示がない又は不足している場合があるので確認が必要。
(業務として行って費用が発生しないことは無いので)
建設業者はどの様にして決めたらいいの?
設計施工の会社だと特命で決まるが、通常は複数社を選定し見積もり内容を確認して決定する。信頼のおける会社と判断して特命で決める場合もある。
■ 建設業者を決めるには、以下の方法があります。
1. 特命方式―特定の業者の能力を評価して指名する(業者を見極める選定能力が必要)
2. 入札方式―複数社に入札させ落札者を指名する(完成品質を担保する能力が必要)
3. 見積もり合わせ方式―見積もり内容を勘案して指名する(予算調整や内容変更が可能)
工事監理者と工事管理者の違いは何?
工事監理者とは、その建物が建築基準法やその他の法律に違反していないか、設計図の通りに工事が進んでいるのかを確認する役目があります。
工事管理者(通常、建築会社や工務店の現場監督)とは、建物の品質向上や、工事が安全にスムーズに行く様に指示します。また、工事の段取りや材料発注等も工事管理者の役割です。出来上がりの精度や品質は工事管理者に起因します。
■ あなたを守り、夢を実現する設計・監理とは
・工事監理者とは、あなたに代わって建築工事の着工から完成までを専門的にチェックする建築士(資格者)で、欠陥住宅を防ぎます。
・工事監理者の仕事「その者責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかどうかを確認すること」とされています。
・設計図書の内容と異なるものが施工されていると判断した場合には、施工者に注意を与え建築主に報告することとなっています。
・工事監理は、建築士(資格者)しか行えないことになっております。設計施工を一括で契約する場合でも、別途工事監理の契約を結ぶことや、第三者の建築士へ依頼すること が重要です。なお、依頼に関しては、別途費用が必要になります。
・家を建てる時には確認申請を出しますが、ここの中に設計者と工事監理者の名前を書く欄があります。設計者は家を設計した者ですが、工事監理者も、大事な役目があります。
・建築基準法では、建て主は工事監理者を定め、工事監理者に建築工事の工事監理をさせなければならないと決まっています。
・工事監理は建築士の業務、工事管理は建設会社や工務店の業務になります。
※最近は、工事監理者を決めないまま工事を進めて、違法建築物、欠陥住宅になったというケースも増えており、改めて工事監理の大切さを実感させられます。
建築物の省エネが義務化されると聞いたのですが、本当ですか?
2021年4月から改正建築物省エネ法により、全ての建築物の省エネが義務化されています。
(2025年には更なる義務化の追加が予定されています。)
義務の種類については規模や用途により異なります。
・300㎡以上の住宅においては、着工21日前(※注1)までに省エネ計画を届出することが義務付けられています。(届出義務)
※注1 民間審査機関による評価書を提出する場合は3日前
・300㎡未満の住宅においても、建築主に当住宅の省エネ基準の適否と(適合していない場合)、省エネ性能確保のための処置を説明することが、義務づけられています。(説明義務)
・ただし、説明を希望しないと意思表明をした場合は説明されません。
※詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/shoenehou.html
・省エネ基準の適否判定については、別途計算や申請が必要になるので、費用がその分追加されることになります。
運営組織
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